間違いだらけの物流業務委託-2

2015年3月に出版されました「間違いだらけの物流業務委託」の一部をご紹介します。
「第2章 自社の物流業務がわからない」では、物流業務委託に必須である自社の物流業務を知る方法、すなわち「物流業務の棚卸」について取り上げています。

物流業務を委託するためには、自社の物流の全体像を把握し、その範囲や内容を明確にする必要があります。しかしながら、意外に知っているようで知らないことがあるのが実態です。そこで、今一度自社の物流業務全体を把握し、課題を解決していく活動が必要です、これが、「物流業務の棚卸」です。

「物流業務の棚卸」は、3つのステップ「現状把握」「改革/改善案の抽出」「改革/改善のシナリオ作成」で進めます。
「現状把握」では、定量的、定性的に実態を把握します。定量把握では、電子データ化と分析による定量的な把握を行い、市況や業界標準と比較して位置づけを明らかにします。定性把握ではインタビューを通して実態を把握していきます。物流管理や安全、品質、クレームなどの項目も把握します。
「改革/改善案の抽出」では、現状把握段階で出てきた課題を挙げ、さらに物流段階、業務内容、製品などの軸を使った抽出や実担当に対するアンケートなどを含めて全体を網羅します。思い込みを排除して、自由な発想をすることが重要です。また、可能な限り推定効果を試算し、効果額の大小の明確化を行います。
「改革/改善のシナリオ作成」では、効果ばかりに注目するのではなく、緊急度や難易度を考慮して、短期テーマ、中期テーマに分けて作成していきます。短期テーマは効果額の大きいものが中心となりますが、効果は小さくても容易に実行可能なテーマでまず成果を上げることが重要です。
アウトプットは、「現状把握結果」と「改革/改善テーマと展開のシナリオ」の2つで、委託先を含めた改善活動の基礎となるものです。

シナリオの活用方法としては、自社でできるテーマ、委託先と検討が必要なテーマに分け、委託先との検討のテーマは、パートナーと一緒に課題を解決していきます。

(文責:中谷 祐治)

詳しくは、日刊工業新聞社刊「間違いだらけの物流業務委託」をご覧いただけますと幸いです。
https://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00002879

ロジ・ソリューション株式会社では、「物流業務の棚卸」のお手伝いをさせていただいています。「改善の切り口が知りたい」、「なんとなく改善点はわかるが進め方や手の付けるところがわからない」「改善し尽くしたつもりだがほかに切り口がないか」、「自社の物流レベルは他社と比べてどうなのか」などお困りのことがありましたら、ご相談ください。(お問い合せはこちら

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第299号 2015年10月28日)