記録と記憶

私の最も嫌いな類の事件、少女・女性をターゲットとした犯罪のニュースが目立ちます。数ヶ月前に発生した女子中学生の誘拐未遂事件、未遂に終わり被害者はその場で保護され、犯人も逮捕されました。この犯人逮捕に一役買ったのが、偶然通りかかった一般車のドライブレコーダーとのことです。
日本においては2003年頃から営業車を中心に普及し始めたドライブレコーダーですが、2014年7月から国土交通大臣の認定した機器において補助金が出る制度が始まったようです。この度の事件における活躍からも、今後は一般車への普及も高まっていくのではないでしょうか。

人間の記憶はとてもいい加減なものであることを常々感じます。自分の都合のいいように事実を創り上げる、私も経験がありますが、自分では記憶が正しいと思い込みがちな点が厄介です。社内・社外にかかわらず会合の内容を議事録に残すことが多いと思いますが、議事録にまとめるのは意外と手間が掛かります。簡易な打合せの場合は議事録ではなく各自のメモで済ませることもありますが、後々認識のズレが生じることもあります。議事内容を思い出す手間や、認識の統一を図る為にも議事録や議事メモの共有化は徹底しなければならないと反省しています。

学生時代に電気店でアルバイトをしていた頃、値段交渉やクレームへの対策としてボイスレコーダーを常時携帯している店員がいました。その時は用心深い方だと思っただけでしたが、リスク対策としては重要なことだと今では思います。
正確な記録は、被害者を守るのは勿論のこと、加害者の責任範囲を明確にして加害者側を守る役割も果たします。仕事でも同じで、言った言わないの議論や不要な作業の無駄を排除するためにも、関係者内での共通認識として記録を残すことは重要なことだと感じます。
とはいえ、議事録すらサボりたくなるのに、日々業務に追われている内容を他人が見て分かるように整理しながら記録に残していくのは至難の業です。
物流業務においては、倉庫業務でも作業毎に帳票が異なったり、輸配送業務でも委託先毎に伝票が異なったりし、これらの整理や管理に多くの工数が掛かってしまいます。実際は、どの程度の工数が掛かっているのかを把握するのも困難な場合もあるのではないでしょうか。

ドライバー不足とそれに伴う輸配送コストの上昇が懸念される状況下において、物流の効率化が鍵となってきます。効率化の検討には、現状把握が必要不可欠です。現状業務の改善点を見つけ、継続的な効率化に取り組む体制を整える為にも、業務の見える化や物流データなどの記録が重要になります。自社の物流効率化を推進できる段階にあるか、あるいは、現状把握や物流データの整備から始める必要があるか、もう一度見直してみてはいかがでしょうか。

(文責:小出)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第261号 2014年8月27日)

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