リスクマネジメントについて:国によるインフルエンザ対策の違い

はじめに

インフルエンザが日本でも流行の兆しを見せております。関西地区で感染者が増加し、5月19日時点で、世界で4番目の感 染者数となりました。 ニュース・インターネットを見ていると、各国、各社でインフルエンザへの対応が様々ですね。

こういう状況では、リスクマネジメントの違いが出てきます。日本では、「マスク」「手洗い」「うがい」を推奨しております。企業によっては、海外・国内感染地域への出張自粛や、従業員へのマスク配布等の対策をとっている企業もあります。今朝から、私の事務所の近くのコンビニでも、店員がマスクを付けておりました。

その一方、欧米(特にアメリカ、イギリス)では、「マスク」が疑問視されています。一つ目は、マスクの耐久性。1枚 のマスクでは数時間しか効果が無いため、1日数枚必要となる。 二つ目は、マスク廃棄時のウィルス飛散、 三つ目は、マスク着用による意識の低下(手洗いをしない、人ごみに出かける等)、 等の観点から、あまり推奨されていない国もあるようです。

私の見解は、効果があるかどうかは分かりません。そもそも、インフルエンザウィルスを防御するマスクがどれなのかよく分かっておりません。花粉用はダメ、鼻まで覆えないものはダメ、装着時に隙間があるマスクはダメ、口と鼻を完全にカバーし、隙間の無いものが有効らしいというレベルです。外部からのウィルスを防ぐマスクとなると非常に高価(1日当り数百円程度かかる?)ですし、余り薬局でも見かけない気がします。海外では、「マスクより医療費にお金を使った方が良い」との見解もあります。

例えばこんな考え方が

マスクに限らず、対策は色々あります。インフルエンザのリスクマネジメントを下記にまとめてみると、

(1) リスク保有:マスクを購入せず、感染時の医療費として貯蓄する
(2) リスク低減:体調を整え、「マスク」「手洗い」「うがい」を適正に実行する。その他「ゴーグル」や「ビニール手袋」、「リレンザ」等があると、なお良い。
(3) リスク移転:各損保会社の保険に加入する。
新型インフルエンザについては、旅行保険以外でも所得補償保険等の各種保険が適用となる商品もあるようです。
(4) リスク回避: 人ごみに行かない。インフルエンザが発症していない地域へ非難する。 といったところでしょうか。

我々一般市民に出来ることは、(2) リスク低減、(3) リスク移転、(4) リスク回避の内、極力人ごみに行かない(休 日に人が多く集まる場所に行くなどを避ける)ことでしょう。

しかしながら、仕事となると少し事情が変わってきます。特に、物流のようなインフラ的要素の強い業種は、インフルエ ンザが拡大しても、業務を止めることはなかなか困難です。特に医療機器や医薬品の供給、食料・水の供給等、生命に直結する部分を担っているメーカー、物流事業者は、パンデミック拡大時でも、業務を遂行する必要があります。そのような企業様は、今回のインフルエンザ騒動を機会に、物流のリスクマネジメントの見直し、整備を急がれていることと思います。

(文責:森田)

ロジ・ソリューション株式会社では、インフルエンザのリスクマネジメントは指南できませんが、物流に関するリスクマネ ジメントのセミナー等を開催しております。 物流に関するリスクマネジメントのご相談は、ロジ・ソリューション株式会社までご連絡下さい。(お問い合せはこちら

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第32号 2009年5月20日)

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