単価が下がればICタグは普及するのか

■2円タグが登場予定
2020年1月18日の日本経済新聞によると、「東レは衣料など商品の在庫管理などに使うICタグを、1枚2円以下と従来の5分の1程度のコストで生産できる技術を開発した」とあります。特殊な素材を用いて集積回路を直接印刷し、生産工程を大幅に減らせるということです。ICタグはあらゆるモノがネットにつながる「IoT」にとって重要な部品ですが、本当にICタグの価格が下がれば調達・製造・物流・販売の各現場に普及が進むのでしょうか。

■時代は繰り返す
2004年8月、「響プロジェクト」が発足しました。響プロジェクトとは、ICタグの普及のために発足したプロジェクトのことで、経済産業省を中心として2006年7月までの2年計画で始められました。当時のICタグの単価は1枚50円程度でしたが、使い捨てできる単価5円程度にまで低コスト化して、日本に爆発的なICタグ普及を狙ったものでした。当時の市場の期待値は高く、「5円になればうちの会社でも適用できる」、「弊社でも検討を進めなければ」という企業が多かったです。響プロジェクトは日立製作所を中心にNEC、大日本印刷、凸版印刷が研究を進めていました。しかしながら期待とは裏腹に、ICタグの大きな普及がないまま15年が過ぎました。

■ICタグの活用に向けて
一部のSPA(製造小売)アパレル業においては、本格的にICタグを利用しています。製造時に商品にタギング(タグ付け)、物流現場での入出庫時の自動読み取り・在庫管理への利用、トレーサビリティへの活用、店頭でのレジ業務サポートに利用されています。サプライチェーンをすべてコントロールできるSPAは各作業シーンでICタグを有効に利用することが可能ですが、多くの企業はそうではありません。例えば物流現場のみでICタグを利用しようとしても、「誰がタギングするのか、入庫時なのか」、「タグの費用は誰が支払うのか」などコスト負担面が前面に出て、それをペイできるかどうかの議論が先に出てきます。当然といえば当然ですが、そうなると5円タグであってもコスト負担の課題が残ったままになり先に進めないということを繰り返してきました。
お客様のICタグ導入について検討をしてきた経験から言いますと、アパレルは製品特性や直営店におけるレジ業務への適応においてICタグと親和性があります。ICタグが対象として得意としている製品は何かを研究・理解し、サプライチェーン上の各プレイヤーにそれぞれどのような効果をもたらすのかを数値で表現し、ICタグのランニングコストをペイできるかを粗くてもよいのでまとめることが重要です。

(文責:釜屋 大和)

特に物流現場でICタグを導入したいとお考えの方は、弊社にご相談ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★掲載された記事の内容を許可なく転載することはご遠慮ください。

(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第426号 2020年3月25日)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*