アメリカの高速道路

先日仕事でアメリカに行く機会がありました(アメリカに行くのは今回が初めてです)。

朝ワシントンをバスで移動していると、道路沿いに行き先を書いたボードを掲げたサラリーマンやOLがずらりと並んでヒッチハイクをしている光景を目にしました。

現地の方に聞くと、ワシントン郊外の高速道路では出勤ラッシュ時に、複数の人間が乗車しないと走行できない「HOVレーン」があり、相乗りする事で空いている「HOVレーン」を走行でき、ドライバーにとっても都合が良いのだそうです。

ちなみに、ワシントンのラッシュ時の道路渋滞は深刻で、通常レーンだと運転に約2時間かかるが「HOVレーン」だと30分で済むといいます。さらに、「HOVレーン」の最高速度は、普通の高速レーンよりも10マイル(約16km)ほど高くなっているそうです。

「HOV」というのは、High-Occupancy Vehicleの略で「たくさん人が乗った車」という意味です。例えば「HOV-2」なら、同乗者が2人以上なら走って良いという事を意味します。

同乗者数のチェックはカメラで行い違反した場合、州によって異なりますが約500ドルの罰金が課せられます。

もともと「HOVレーン」は、ドライバー1人だけで1台の自動車を利用するより、多くの人を1台の車で輸送して車の数を減らす事で、出退勤によるラッシュ時の高速道路渋滞緩和や、全体的な排気ガスやNOxの排出を抑えようという発想から設置されました。

そのため、「HOVレーン」を設置する多くの地域では、相乗り以外にもハイブリッド車の様なエコカーなら走行が認められている場合があります。

アメリカでは大都市以外では公共交通機関が発達していないので、通勤に車を使っている人が約90%にのぼり、「HOVレーン」は渋滞緩和に有効とされています。

但し、相乗りが原因の犯罪が起こる可能性もありますので、都市部の中でも比較的治安の良い地域でないと設置は難しいです。

日本でも、相乗りに対する優遇策の導入を推進する方もいるようですが、日本の高速道路は走行車線1、追い越し車線1の合計2車線がほとんどであり(アメリカでは最大8車線というのがありました)、「HOVレーン」を設置するレーンが無いという問題や、交通事故が発生した時の責任の所在の問題があり、積極的な導入は現実的でないとされています。

 

アメリカでは、既存の「HOVレーン」を自動運転車も利用可能にしようという動きが出ている様です。

日本の都市部における交通混雑や環境意識の高まり、昨今のトラックドライバー不足の打開策として期待されている自動運転車導入のインフラとして、「HOVレーン」はひとつの参考事例になると考えます。

(文責:重栖 嘉明)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第358号 2017年5月10日)

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