いま企業が抱える戦略的物流課題

先日、弊社の取引先から「新型コロナウィルスの影響で物流はどうなりますか?」と問われました。とてもシンプルな質問でありながらも、誰も解が見えないのが正直なところだと思います。その取引先にも、満足のいく回答はできないとしながら、私なりの想定でお答えしました。

ご承知の通り、緊急事態宣言が発動している地域も含め、いまのところ、物流事業者は通常の業務に従事している状態がほとんどです。ただでさえ変化の激しい経営環境の中、企業のリーダーがこのような状況まで想定して対応することは、大変に困難であると想像します。しかし、これから先もどのような環境であれ、賢明な舵取りをしなければいけないのが経営トップであり、各部門を任されているリーダーも同じではないでしょうか。そういう意味で、これからますます各リーダーに求められるのは、解の見えない環境下においても、自らの意思で、戦略的合理性に基づいた判断、選択をすることではないかと考えます。

物流コンサルティングといえば、「効率化」や「コストダウン」のテーマが一般的ですが、ここ最近の弊社への問い合わせ内容は多岐に及んでいます。総じて言えば、これからの物流をどのように対応していくべきかをプロとして考えてほしいというご依頼です。内容にもよりますが、その多くが、基本的にはロジスティクス再構築の一環であり、まずは将来の全体像(あるべき姿)を描くことをお勧めしています。実際にそういった企業のコンサルティングを実行してみると、課題は大体次の三つに集約されます。

1.「物流戦略」の構築(または、再構築)
2.物流管理組織の再編
3.ITシステムの再構築

まず、一つ目の課題である「物流戦略」の構築に行き着く要因は、そもそも各荷主企業が物流をあまり重要視してこなかったことだと考えています。売上高からみた物流コストの比率は、一般的に数%~10%前後の程度であり、コスト全体から見ればさほど大きくありません。したがって、経営側から物流部門が注視されてきた多くは、滞りなくオペレーションをコントロールすることであり、余計なコストを発生させないことでした。しかし、深刻化する物流現場の労働力不足や、グローバルで構築していたサプライチェーンへの影響など、企業経営に対する物流リスクのインパクトが大きくなるにつれ、経営戦略と同時に物流戦略も構築せざるを得ない事態が生じています。あわせて、消費者の多様なニーズや、情報社会の進化などもそれを後押ししており、実際、各企業の掲げる中期経営計画にも「物流」や「ロジスティクス」に関わる内容が増えてきました。上記の二つ目の課題である「物流管理組織の再編」は、それを実行するための体制強化であり、三つ目の「ITシステムの再構築」もそれに関連した情報インフラ整備ということになります。この二つの課題については、後日改めて触れたいと思います。

弊社はまさに、こうした課題に正面から取り組んできました。おかげさまで一定の成果を生む実力をつけてきたと自負しており、ありがたいことに継続的な取引を望まれる企業も増えてきました。今後も、難解な課題に果敢に挑戦していく姿勢を忘れず、皆様の企業におけるロジスティクスのさらなる高度化をバックアップしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

(文責:貞 勝利)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第429号 2020年5月13日)

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