「持続可能な開発目標(SDGs)」の視点で考える

持続可能な開発目標(SDGs)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するため、17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。

日本政府は早くに参画を表明し、内閣に推進本部を設け、安倍内閣総理大臣が推進本部長に就任しています。上場企業の間では、SDGsへの取り組みの重要性を認識していますが、一方で8割強の中小企業はSDGsの存在すら認識がないというのが現実のようです。

SDGsの17のゴールとは、以下の通りです。

  1. 「貧困」あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる
  2. 「飢餓」飢餓を終わらせ、食料安全保障および栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する
  3. 「健康」あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
  4. 「教育」すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
  5. 「ジェンダー」ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女児の能力強化を行う
  6. 「水・衛生」すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
  7. 「エネルギー」すべての人々の安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
  8. 「経済成長と雇用」包摂的かつ持続可能な経済成長およびすべての人々の安全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する
  9. 「インフラ、産業化、イノベーション」強靭なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進およびイノベーションの推進を図る
  10. 「不平等」各国内および各国間の不平等を是正する
  11. 「持続可能な都市」包摂的で安全かつ強靭で持続可能な都市および人間居住を実現する
  12. 「持続可能な消費と生産」持続可能な生産消費形態を確保する
  13. 「気候変動」気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じる
  14. 「海洋資源」持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
  15. 「陸上資源」陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復および生物多様性の損失を阻止する
  16. 「平和」持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
  17. 「実施手段」持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

上記内容を踏まえ、SDGsで最も大切なメッセージは、「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」という誓いです。各企業がSDGsに取り組むのであれば、この「誰一人取り残さない」というキーワードこそが、真剣に向き合うべきことだと思います。

チルド乳製品の製造や販売をされているダノンジャパン株式会社では、栄養のあるヨーグルトを購入できない途上国にヨーグルト工場を作りました。当初は、単なる社会貢献に見えましたが、実は、インフラが整っておらず、かつ、成熟した労働者もいない中での工場設立と、低所得者でも買えるヨーグルトの商品化という壁を乗り越えたことにより、全世界のダノンジャパン株式会社の工場の効率化が図れ、また、世界で人気となる小さくて安価なヨーグルト商品の発売にもつながりました。

最新のテクノロジーを駆使することで、これまではアクセスできなかった顧客や市場にもアクセスできたり、サービスを提供できたりする時代に入りました。とはいえ、そうした新たなビジネスチャンスを活かして新規市場を開拓するといっても、既存のサービスに慣れきった私たちには、新たなアイデアがなかなか出てこないのも実態ではないでしょうか。

しかし、自社のビジネスの世界で、SDGsの「誰も取り残さない」という視点で、潜在顧客を見つめ直しサービスや製品開発を考えると、新たなアイデアが生まれてくるかもしれません。つまり、SDGsは、デジタルトランスフォーメーションを実現するきっかけにもなりうると考えられます。

物流業界においては、ヤマト運輸株式会社が生み出した「宅急便」以来、新たなサービスが生まれていないと揶揄されることもありますが、もう一度、自社のビジネスを見つめ直してみてはどうでしょうか。弊社も皆様と一緒になって、新たなサービスを創出するため、お力添えさせていただければ幸いです。

(文責:貞 勝利)

※「宅急便」はヤマトホールディングス株式会社の登録商標(第3023793号ほか)です。

【参考】
国際連合広報センター
・「開発途上国における社会起業およびCSR活動-JICA事業との連携-」(平成20年9月独立行政法人国際協力機構)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第408号 2019年6月19日)

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